やさしい税務会計ニュース
やさしい税務会計ニュース
文書作成日:2024/04/16
所得税の定額減税(月次減税)における「基準日在職者」とは

[相談]

 私は会社で給与計算を担当しています。
 今年(令和6年)実施される所得税の定額減税(月次減税)は、今年(令和6年)当社に入社し、当社に扶養控除等申告書を提出したすべての従業員が対象となるのでしょうか。教えてください。

[回答]

 ご相談の月次減税は、令和6年6月1日現在で御社に勤務している人のうち、御社に扶養控除等申告書を提出している居住者の人のみが対象となります。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.令和6年に実施される所得税の定額減税の概要

 令和6年分の所得税については、定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されます。具体的には、居住者(※1)の所得税額から、原則として、下記の特別控除の額を控除するとされています。

  • @本人:3万円
  • A同一生計配偶者又は扶養親族(いずれも居住者に該当する人に限ります):1人につき3万円

※1 居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。

2.給与所得に係る所得税の定額減税(月次減税)の実施時期

 扶養控除等申告書を提出している給与所得者(いわゆる甲欄適用者)については、その主たる給与の支払者のもとで、令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等(賞与を含む)に係る源泉徴収税額から、定額減税による所得税額の控除を受けることとされています(月次減税※2)。

※2 令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等(賞与を含む)に係る源泉徴収税額から控除しきれない部分の金額については、以後、令和6年中に支払う給与等に係る控除前税額から定額減税額を順次控除することとされています。

3.月次減税の対象となる「基準日在職者」とは

 上記2.の月次減税の対象者は、令和6年6月1日現在、給与の支払者のもとで勤務している人のうち、給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人(その給与の支払者に扶養控除等申告書を提出している居住者の人)とされています。これを「基準日在職者」といいます。

 このため、今回のご相談の場合、令和6年6月2日以後に御社に就職した人については、基準日在職者に該当しないことから、令和6年6月2日以後に就職した人が扶養控除等申告書を御社に提出したとしても、月次減税の対象にはならないこととなります(この場合は、年末調整において定額減税額の控除(年調減税)を受けることとなります)。

 なお、令和6年6月1日に退職した人については、同日までは御社に勤務していることから、同日現在において扶養控除等申告書を提出していれば、基準日在職者に該当することとなりますので、この点にもご留意ください。

[参考]
所法2、国税庁「令和6年分所得税の定額減税Q&A」(令和6年3月18日)など

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。



給与計算における「扶養親族等の数」と所得税の定額減税における「扶養親族」2024/04/09
年調減税における定額減税対象額は、住宅ローン控除適用前か後か2024/04/02
死亡した人の未支給年金を遺族が請求して受け取った場合の課税関係2024/03/26
所得制限額を超える人に対する令和6年6月以後の給与計算での定額減税2024/03/19
非居住者である扶養親族は所得税の定額減税の対象か2024/03/12
令和6年度分の個人住民税の定額減税の概要2024/03/05
令和6年分の所得税の定額減税における「扶養親族」とは2024/02/27
令和6年分の所得税の定額減税における「同一生計配偶者」とは2024/02/20
インボイス制度/2割特例適用の可否判断2024/02/13
インボイス制度/自販機特例を適用する場合における帳簿記載事項の変更点2024/02/06
インボイス制度/少額特例の適用判定基準2024/01/30
社員名が記載された簡易インボイスによる立替精算2024/01/23
要介護認定と障害者控除2024/01/16
令和6年度税制改正大綱/住宅ローン控除の借入限度額の上乗せ措置の内容2024/01/09
免税事業者から課税仕入れを行った場合の経過措置を適用する場合の源泉徴収対象金額2024/01/02
お問合せ
池田剛税理士事務所
〒890-0053
鹿児島市中央町14-2児玉ビル2F
TEL:099-252-2776
FAX:099-250-1441
メールでのお問合せ
ふたり会議画像小
『院長を孤独にさせない!』
情熱あふれるご夫婦が取り組み始めた
地域に愛されるクリニックになるための ”Smart Mnagement Support" 読本